ベトナム、ファンラン、ダナン視察レポート
2018年ベトナム、ファンラン、ダナン視察レポート
期間:2018年5月31日〜2018年6月5日
目的:
1.フクニョン村にて学び舎への誘導看板製作及び、設置についての現地調査
2.ベトナム中部ダナン近郊のチャム族の遺跡調査とチャム族からの聞き取り調査
3.10月のベトナムにおけるジャパンフェスティバルの打ち合わせ
参加者:上田 衛、志水 ヒロミチ、ダン(在ベトナム チャム族)
スケジュール:
5月31日 日本からベトナムへ移動
6月1日 ファンランにてミーティング及び、フクニョン村視察
6月2日 ダナン移動、チャム族遺跡調査
6月3日 チャム族遺跡調査(クァンナム遺跡群)
6月4日 チャム族遺跡調査(ミソン聖域)
6月5日 チャム族遺跡調査、日本へ帰国
■6月1日(金曜日)
フィン、ヴァン、タム、ティンさん達と10月にベトナムで行うジャパンフェスティバルに付いて第一回目のミーティーングを行う。
決定事項
2018年10月8日~9日がバラモン教のカテのお祭りである。それに合わせてチャム塔(ポークロンガライ、ポーロメ) とティンさんの村で日本を紹介。及び、NPO のコマーシャルに重きを置いたイベントを開催する。ティンさんのお父さんにも協力を依頼することにして、今後何が出来るか相談して行くことを話合いました。
ファンランのMYV 設計の入るビルより、イベント会場にイメージしているポークロンガライが望めました。ポークロンガライは下見しましたが、ポーロメ、ティンさんの村はティンさんのお父さんが現在村に不在とのことで行きませんでした。
イベント会場のひとつとしてイメージしているポークロンガライ。丘の下は観光の場所として整備されています。ここはカテのお祭り時にはチャム族で溢れるのでイベント内容を良く考える必要があると思う。大規模なイベントと云うよりは、日本に少し触れてもらい日本でチャム族をメインにサポートしている団体があることを知ってもらう位にとどめるのが良いと思う。
学び舎つばさへのルートの現状
村内に番地が無いためタクシーなどで訪れようとすると現地のタクシーでも学び舎まで行けないので学び舎までの地図を村内に設置させてもらえないかの下見。
■6月2日(土曜日)
本日はダナン、ホイアン近海のクーラオチャム(チャム島) への予定を立てておりました。行き方の詳細が分からず現地でダンさんに交渉してもらおうと出かけましたが、なかなかこちら側の意思が伝わらず断念・・・。
このようなことがあると、日本語教師及び候補としてのメンバーのみが日本語を解すると云う訳には行かないなぁ〜っと思わされました。
急遽夜に会う約束をしていたマイリーさんと連絡を取り、お昼に会うことになりました。
マイリーさん、現在ホイアン近郊の自然を体験させるテーマパークのような所で暮らしており、お昼ごはんをごちそうして下さいました。
今回のマイリーさん訪問は名古屋の社長さん達の視察の一環で、NPO が進めている「仕事作りプロジェクト」ベトナムの職業訓練校の視察の課程でチャム族の料理を食べてもらおうと企画したモノで、料理研究家であるマイリーさんに食事の提供をお願いしにいったモノです。
突然の予定変更にもマイリーさんは快く迎えて下さり、ものの20分程でおもてなしの食事を作って下さいました。
現在マイリーさんが暮らしている所は、(もちろんテーマパークの様な観光を目的としてはいますが)その昔チャム族はこのような集落を作り暮らしていたのでは!?っと思わせる竹をメインに使った生活をしておりました。
マイリーさん宅を後にして観光で有名なホイアンへ。
ホイアンはチャンパ王国時代からの古の国際貿易港。日本人街もあった所です。旧市街をチャンパ時代や日本を感じるモノを探してみました。街としては観光地!!となっていましたが、博物館には日本人街があった頃の記録やチャンパ王国時代の模型の船など記憶を後世に残すモノはありました。
2 年前にも訪れたチャンパ王国時代から使われているチャム族が作ったであろう井戸に再訪。若干あやふやになっていた記憶を辿りながら近くまで行くも分からず、聞き込みをしてたどり着く。2 年前は住宅の入り組んだ記憶があったのですが、周りの家が壊されていて風景が変わっていたため通り過ぎていたようです・・・
現在も使用可能な井戸。足や手を洗ってチャンパ王国時代に思いを馳せました。
井戸の隣のお家の方に井戸の言われや歴史などなど調査し、現在もホイアン市内の名物カオラウやホワイトローズなどに使用していると聞きました。
その勢いでホイアン1美味いカオラウも調査!!
理事長が昨年美味しいカオラウ食べたけど何処か解らないと道すがら話していたカオラウ屋さん発見!!カオラウと伊勢うどんのリーフレットを置いていただいたカオラウ屋さんで本場のカオラウ大変美味しく頂きました! 以前も食べましたがやっぱり伊勢うどんと言うよりカオラウと言う食べ物だと思いました・・・
ちなみにホイアン1美味いカオラウ屋は残念ながらお休みでした・・・
■6月3日(日曜日)
本日は理事長と別行動になり、当初の予定通りベトナム中部にあるチャンパの遺跡群(クァンナム遺跡群)を調査をしました。が、残念ながら朝から雨模様・・・
本日は通訳のクィーさんがダナンから同行してくれました。
まず、ホイアン近くにある江戸期の日本人商人の墓を見学。
ガイドブックに載っているお墓は水田に囲まれた場所にありました。それとは別にあまりガイドブックに載っていない日本人のお墓が近くの住宅の中庭のような所にもありました。
さてここから更に南下しバンアンを視察。小さく柵で囲われて八角形の祠堂が残っていました。管理人のような近所のおっさんのような方が一応拝観料を取ります。
徐々に雨脚が強くなってきていますがなんとか更に南下してかつてチャンパ王国の王都のあったチャキュウに。現在はキリスト教の教会になってしまっている小高い丘に登ると眼下に水田が広がり、確かにここに王宮を築いたのもうなずけるよう
な地形でした。残念ながら現在はチャンパの遺跡は残っておりませんが、近くにチャンパの博物館があります。
更に国道1号を南下。ここで理事長よりダナンの方は大雨なので中止しませんか?の電話。「こちらの方はそこまででないので続行します」と返事して続行。雨脚が強まってきたので昼食を取りながら様子見をしたところ小雨に。
遺跡視察再開してチェンダンの塔へ視察再開。
ここは奇麗に整備されて小さな博物館も併設されていました。ここには現在遺跡が無くなってしまったアンミーの彫刻なども保管されているそうです。残念ながら雨脚が激しくなってきた為、ここで本日の視察は取りやめてダナンに帰ることに。 更に残念なことにシミズのカメラが作動しておらず、いろいろと記録したつもりが残っておりませんでした・・・・・
■6月4日(月曜日)
本日はチャム族の聖域、ミソン聖域へ。
現地で舞台の演奏家として働いているヴゥさん他(ごめんなさいお名前を失念してしまいました)とチャム族としての聞き取りと、バラモン教以外の人たちにもチャムの楽器を使ったり教えてもらったりすることが出来るのか聞きました。学び舎にてクラブ活動のようにしてチャムの伝統音楽を伝える芽はあるような返答でした。シミズの思いですが、学び舎にて宗教の枠を超えてチャム族の踊りや音楽に触れる活動も出来ないだろうか?と思いを馳せました。
聞き取り後は、シミズはミソン聖域の観光マップ(NPO のコマーシャルを入れた)作りの為の視察。
以前訪れた時にも思ったのですが、とにかく蒸し暑いです・・・ 場所的にはダナンやホイアンなどの海近くより随分山を登った高原のような感じの所なんですが、現在の観光地化した以前はジャングルっと云った塩梅だったんでのしょう。
チャム族もよく数世紀にも渡ってここにこれだけのチャンパ塔を作ったモノです!感心します。
ミソン遺跡は流石にベトナム中部の観光地、朝からの生憎の雨にも関わらず、アジア人、欧米人の観光客がやって来ます。日本人の団体も多くいるようです。 以前の訪問時に同行したミさんより聞いたのですが、ここに観光客を連れてくるガイドが、チャム族のコトを黒んぼの土人がここを作ったとの説明をしていたそうですそれを聞いたミさんは憤っていました。もっとチャム族をリスペクト出来るガイドブック兼マップを作れたらと思いました。
■6月5日(火曜日)
本日もはっきりとしない空模様。
行きそびれたチャム島へとの案が出ましたが浪が高く船が出港しないとのこと、今回は断念しました。
一昨日に行ったかつての王都チャキュウに理事長も含め再訪。一昨日はお休みだった博物館に入ることが出来ました。
博物館内にあるチャンパ王国遺跡分布図を見ながら「かつてのチャム人達は、ここ王都よりミソン聖域に行くのは日本人がお伊勢参りする感じだったのかなぁ」っと理事長と思いふけっておりました。
更に、ダナン近郊にガイドブックなどに載っていないチャムの遺跡はあるのか!?とダンさんに探してもらうと発掘途中の遺跡があるとの情報が! 皆で遺跡探索を始めました・・・・が、近くまで来ているようなのですが正確な位置が分からず新遺跡調査も断念・・・
一昨日行きそびれたドンジュオンなら飛行機の時間までに行けそうだとのタクシーの運転手の話しで一路ドンジュオンへ。
ここは、今までの多少は整備された遺跡でなく、本当に村の近郊にたたずむ遺跡跡でした。しかしここはかつて東南アジアで最大級の仏教寺院があった場所。遺跡調査の跡、散乱したレンガの瓦礫・・・
かつての威風を想像するベースはありましたが、歴史と人の営みの流れを感じさせる場所でした。
今回の視察では以前行けなかったチャムの遺跡を巡り、学び舎に再訪し、今後チャム人にどう関わり何をサポートすればすれば良いのか更に考える視察であったと思います。
(イベント企画部長・イラストレーター 志水ヒロミチ)
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